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東京海洋大学南極観測隊を紹介するブログです。昨年、海洋大「海鷹丸」ウェブページ内で「ペンギンさん、そこのけそこのけ海鷹丸が通る」というタイトルで綴っていたものの続編です。(今年は大学非公認)

「1年間宜しく」


1月16日

昨日からやっていた南緯64度のCTDシリーズの後は、係留系の設置点の地形調査です。南極海では良くあることのようですが、海図とは水深が全然違っていて、かなりの範囲をサーベイしなければなりませんでした。設置点を決めてCTD観測を済ませ、6時半から係留を開始しました。
 大きな作業となると、ボースンの神崎利幸さんと(甲板長:黒いパーカー)とストーキー(甲板次長:青いパーカー)の佐藤匡さんの腕の見せ所です(写真その1、その2)。まず黄色いカバーに入ったガラス玉のブイを投入、船をゆっくり航走させてロープを張りながら少しずつ繰り出してセンサー(写真では流速計)を投入、再びブイ、センサーと次々に投入して、最後はブイ、音響切り離し装置の投入、アンカー(レール)をスナッチフックで吊るしたまま設置予定点まで航走し、スナッチフックのひもを引いてアンカーを投入して終了です(写真その3~5)。新しいデジカメの高速連写性能のおかげで、スナッチフック解放の瞬間が撮れましたので載せておきます(写真その5)。やはり新しいものは良くできていますね。人間はそうでもないですけれど。
 海洋観測支援センターの博士研究員の嶋田さんが、音響切り離し装置の船上局から信号を送って、切り離し装置の着底と設置水深を確認しました(写真その6)。南緯63度50分、東経107度40分と50分のあたりにそれぞれ1系設置です。水深はおよそ3250mと3600mでした。係留系は底層水の流向・流速と水温・塩分を測定するためのものなのでロープが短く、設置は短時間で済みました。来年、海鷹丸が来るまでセンサーが無事にデータを取り続けますように。音響切り離し装置がうまく作動し、アンカーがうまく外れてブイが浮き上がってきますように。海洋物理学研究室の財産のほとんどかどうかは知りませんが、高価な機器類と1年間お別れです。かわいい子には旅をさせよ。貴重なデータを持って帰ってきて頂戴。
 物理チームの主な観測は今日で終わり、あと3点のCTD観測を残すのみです。(石丸)
0116-1 ボースンとストーキー


1月16日の写真その2.神崎ボースン(甲板長)です。

0116-2 ボースン


1月16日の写真その3.「切り離し装置」です。
0116-3 切り離し装置


1月16日の写真その4.錘をつけて航走します。
0116-4 錘をつけて航走

1月16日の写真その5.最後に錘をレッコ(切り離して海中に落とし込む)するところです。
0116-5 レッコ

1月16日の写真その6.海洋観測支援センターの嶋田さんです。
0116-6 嶋田さん



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2013-01-20 : 未分類 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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