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東京海洋大学南極観測隊を紹介するブログです。昨年、海洋大「海鷹丸」ウェブページ内で「ペンギンさん、そこのけそこのけ海鷹丸が通る」というタイトルで綴っていたものの続編です。(今年は大学非公認)

熱い視線

ときどきここで登場するナンキョクオキアミとともに、南極海の生態系のなかでひじょうに重要な動物プランクトンにこのサルパがいます(写真:戸田さん・小野さん撮影)。尾索類というグループに属するこの生物は数センチで、ゼラチン質の体をもっています。植物プランクトンをかなりな速度でこし取って食べます。ときにきわめて濃密な群れをつくるため、ほかの動物プランクトンに対する影響は大きいものがあります。無性世代と有性世代を繰り返すというややこしい生活をしています。このサルパは南極海...ではナンキョクオキアミよりやや北側に分布しているのですが、地球温暖化と関連してその分布域が南に移動しているといわれています。同時にナンキョクオキアミの分布域にもかかってくるわけですから、これら生態系に対するインパクトの大きい2種の中長期的な分布域の変動は、南極海全体の生態系変動に直接かかわってくる可能性があります。こんな地味な生物ですが、南極海生態系を研究する世界中の学者がいま熱い視線を送っています。
salpa thompsoni
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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

2012-12-19 : 未分類 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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